オノマちゃん日記

劇作家オノマリコのブログです。たまに真面目なことも書きます。

甲状腺日記その2

2月25日(月)

風邪が落ち着いたので、そろそろ行くか、と近所の甲状腺を診てくれる病院へ。
お医者さんに首を見せて、「甲状腺がはれているみたいなんですよね」と話す。
「オノマさん、これ腫瘍だね」
と、すぐに言われる。
超音波でエコー映像を見せてもらう。

「ここが頚動脈で、ここが気管で、ここが甲状腺なんだけど、ほら」

腫瘍らしいです。

医「4センチあるね。これ大きくなるから、とったほうがいいね」
オノマ「手術ですか」
医「大きくなるからねー。まだ若いから、とっちゃった方がいいよ」
オノマ「えー、手術ですかぁ。。」
医「あ、ちらちら白いものが見えるね」

エコー映像のなかに、白いちっちゃいものがところどころ見える。

医「見えるよね」
オノマ「そうですね」


医「甲状腺はね、とってもおとなしいの。他の(器官)とちがっておとなしいから、若いうちはほとんど(身体に)悪さはしないの」

医「若い方が進行もゆっくりだしね」
オノマ「でもとっちゃった方がいいんですか」
医「大きくなるからね。大きくなると、呼吸や、首のほかのとこに影響が出たりするから」
手術は嫌だなぁ

医「じゃあ、細胞とって見てみましょう」

はれてる甲状腺のとこに注射針を刺して、細胞をとるらしい。
首に針はこわいな。目、つぶろう。
看護士さん「ちょっと痛いよー」
こわいー。こわいー。ちくっとしたー。ちくっとしたー。

看護士さん「はい、自分でガーゼ押さえてね」
あ、終わったんすね。

医「金曜日には細胞検査の結果でるから」
オノマ「良性か、悪性かってことですか」
医「うん、まあ」
オノマ「いまはまだどっちかわかりませんか」
医「うーん。まだねー。でもオノマさん、僕は実は悪性かなぁと思ってる」


医「白っぽいのがチラチラ見えるでしょ。これがね。あ、オノマさんって学校の先生?」
オノマ「いいえ」劇作家です。
医「良性だとさ、細胞の質が均一なんだよ。クラスのこどもたちみんないい子って感じなの。ほら、いい子ってさ、あんまりバリエーションないじゃない」

うーん

医「悪性だとさ、色んな子がいるんだよね。質が一緒じゃない。でね、こういう白っぽいのがいるのは――」
オノマ「悪性っぽい」
医「うんー。ま、土曜日にCTとってみましょう」

病院を出て、母とお昼を食べる。
「腫瘍だったよ。手術だよ。おとなしいらしいよ。悪性っぽいよ。」と告げる。
母「悪性ってことは癌じゃない」

そうですよね。
悪性=癌って思わないようにしてたんですけど、そうですよねー。

母「次は私もお医者さんついてくから」

家帰って、インターネットで甲状腺に関するお勉強。

友だちに「わたし、甲状腺癌みたい。タイムリー」という大変ふざけたメールを送る。
頭の中、「タイムリー」「タイムリー」「タイムリー」とこだましている。
原発事故と関係あるのかなぁ、放射能関係あるのかぁ
友だちから、「びっくりした。ほんとタイムリーね。でも甲状腺癌って進行ゆっくりらしいね」とメールが返ってくる。友だち、よく知ってる。

フェイスブックで公表したくてたまらなくなる。
でもみんなびっくりするだろうし、心配するだろうからがまんをする。
それに病気を公表するって悪趣味かもしれない。
それにまだ悪性だっていうたしかな証拠もでてない。

とつぜん病気がやってきて、どうやらちょっと興奮しているらしい。
お祭り騒ぎをおさえて眠る。